フランスの幼稚園
- 2016年2月25日
- 読了時間: 5分
アンジュ・プレシューの佐々木たか子です。
フランスの幼稚園について記事があったので、少し触れたいと思います。
鎌倉市も移行している子ども(幼保)園に形態は似ています。
しかし、親の負担は違うかな。
負担の少なさと関わりがないのとは違います。
もちろん幼児教育にはまだまだ完璧はないと思うけど、子ども達は社会の宝物。
以前にフランス人のお母様とお話をした事がありますが、「我が子は神様からの預かり物」という考え方に共感しました。
日本はまだ「我が子は私の責任」「我が子は私」と1人で抱え込む傾向があるかと思います。
社会が手助けするでなく、社会が、はぐくみ育てるといいですね。

〜〜抜粋〜〜
フランスの公立幼稚園は保育費無料。
しかも、幼稚園から小学校へスムーズに移行できるようなカリキュラムが組まれている。 小学校に入学したばかりの1年生が「授業中に座っていられない」などの問題を抱える、「小1プロブレム」が起こりにくい仕組みになっている。
■3歳からはほぼ全員が幼稚園へ
フランスの子どもは、両親ともに働いている場合など、3歳までは保育園に通ったり、保育ママに預けられたりしている。
しかし、3歳からはほぼ全員幼稚園に通う。
義務教育は小学校からだが、公立幼稚園が公立小学校と同じくらいたくさんあるうえ、私立幼稚園もあるので、希望者はほとんど入園できるからだ。
中には公立小学校に併設されている幼稚園もある。
私の子どもが通った公立幼稚園の保育時間は、月、火、木、金曜日の午前8時30分から午後4時30分まで。午後6時までの延長保育もあった。
幼稚園のない水曜日や長期休暇の期間には、「サントル・ド・ロワジール」という預かり保育もあった。
朝、子どもの大半は、母親か父親に連れられて登園する。
働く母親が多いので、帰りのお迎えの顔ぶれは多彩だ。
ベビーシッターや兄弟、祖父母らしき人もいる。
その公立幼稚園は、年少、年中、年長組に分かれていた。
年少組は昼寝の時間があり、小さなベッドが並んだ部屋で、子どもたちは眠る。
日本の保育園では、子どもが昼寝に使う布団を持ち帰って干したり、交換のためのシーツを持参したりしたが、フランスの幼稚園では、そのような「親の仕事」はなかった。
給食は、前菜、メイン、デザートの食事をカフェテリアでとる。
前菜はサラダなど野菜料理が多かった。メインは、金曜日は魚料理と決まっていたが、その他の日は、鶏、豚、子羊、七面鳥などさまざまな肉料理だった。
デザートはお菓子や果物で、チーズもあった。教師とは別のスタッフが子どもの給食の世話をするので、教師はしっかり昼休みがとれる。
公立幼稚園では、色つきのサインペンや絵の具、ノートなどが幼稚園に用意されていた。
制服も指定の体操着もない。
公立小学校と同様に、給食代は所得に応じた金額を支払う。
また、コオペラティヴという任意の援助金を年数回、支払った。
日本の幼稚園は、遊び中心の風潮が強いが、フランスの幼稚園は「教育機関」という趣が強い。
年中組からは通知表をもらうし、落第もある。
教師も、優しいというより厳しい。
幼稚園の新年度が始まる9月、初日の年少組の教室では、ほとんどの子どもが泣き叫んでいた。
これまで家庭で育てられていて、この日初めて集団生活に入るという子どもが泣く。これまで保育園に通っていた子どもも、今までと違う場所に連れてこられたことを察して泣く。
担任教師と補助のスタッフが、抱っこしたりして一生懸命あやしていた。
1週間もすると、登園時に泣く子どもはほとんどいなくなった。
■年長組の間に培われる心構え
年少組とはいえ、火曜日はホールで体操、木曜日は園庭で三輪車に乗るなど、カリキュラムが決まっていた。
日本の幼稚園同様、歌を歌ったり、絵を描いたり、工作したりもする。
4人のピエロの絵から同じ形をした絵を選ぶなど、知育ドリル的なものも取り入れられていた。
遠足では、バスに乗って農園に出かけ、動物と触れ合ったり、羊の毛をブラッシングしたりした。
年中組になると、アルファベットのブロック体を習う。
学期ごとの通知表では、学習面、生活面などで評価される。
「お手本どおりに単語を書ける」という項目などがあり、「できる」「助けがあれば、できる」「できない」の3段階で評価される。
年長組は、かなり小学校に似た雰囲気になってくる。
日本の幼稚園では、教師が子どもと一緒に遊んでくれたりするが、フランスでは、教師は「教える」ことに集中している。
休み時間と授業時間がはっきり分かれ、自由に遊ぶのは、休み時間だけ。授業中は課題に取り組む。
年長組では、アルファベットの筆記体を習う。単語が一つずつ書かれたカードを並べかえ、文章を作る練習をしたりもする。
通知表の項目には、「決まりを守れる」とか、「集中して人の話を聞くことができる」などが記載されていた。「自分の席に座っていられる」という項目もある。
年長組の間に、子どもたちは小学校へ入学する心構えができていく。
幼稚園でしっかり小学校への準備教育をしてくれるとなれば、親は安心だ。
両親とも働いていることが前提なので、保護者会は平日の夕方から開かれる。
日本の幼稚園と比べると格段に少ないが、行事もある。
行事での親の負担は少なく、親が参加する行事はすべて土曜日に開かれていた。
親の関与は、当日の仮装の支度を手伝ったり、行列の付き添いをしたりするためのボランティアだけだった。
■ 親の手間がかかるのは誕生日会ぐらい
唯一、日本に比べて手間がかかると思ったのは、誕生日会。
子どもの幼稚園では月ごとに、その月に生まれた子どもの誕生日会を開いてくれた。ケーキや飲み物は親が差し入れる。
フランスの幼稚園には、ほぼ全員が通うことから、支援が必要な家庭を把握することが早い段階から可能になる。
公立大学は授業料が無料なので、幼稚園から大学まで全部公立に通えば、教育費の負担は少ない。
日本でも、子どもは社会で面倒をみるという考え方にかえ、もっと安心して子育てできる環境を整えられないだろうか。
東洋経済「フランスの幼稚園は、日本とはまったく違う」より
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